事前登録者数2,500人以上、共感を呼んだ”戦略的プレスリリース”の舞台裏

この記事で学べること
・toC向けサービスリリース時のプレスリリースの書き方
・企業側から導入を検討してもらうために必要な情報
・事前登録者数を獲得するための仕掛け作り

みなさんこんにちは!広報ラボ編集長のちゃんななです。

今回は、ローンチ前に事前登録者数2,500以上を獲得し、YahooニュースやForbes Japan・NewsPicksなど大手媒体にも多数掲載され話題となったSOLECTの“戦略的プレスリリースの”の舞台裏に迫るべく、開発者の押田はるかさんにインタビューしてきました!

今からマネできる具体的な取り組みが満載ですので、ぜひみなさんの広報活動の参考にしてみてください。
(ページ下部の最終章「私のヒトコト」に、本記事を書くにいたった私の思いを記載しております。そちらもご一読いただけたらうれしいです!

ということで、早速本編スタートです!

予定の8倍の事前登録者数を獲得。大手媒体にも多数掲載

「ユニクロのCMみたいで恥ずかしい」とおっしゃていた押田さん

SOLECTのプレスリリース全文はこちら

ちゃんなな:
改めて、SOLECTリリースおめでとうございます!
PRtimes内の「今話題のプレスリリースランキング」で、2位まで浮上、さらにForbesやYahooニュース・NewsPicksなどの大手媒体にも取り上げられるなど話題になっていましたね。

押田さん:
大変ありがたいです。
プレスリリースの影響で、事前登録者数も当初予定していた300人をはるかに上回り、2,500人以上の方に登録していただけました。

ちゃんなな:
2,500人!?当初の目標が300人だとすると、約8倍じゃないですか!

押田さん:
そうですね。想定をかなり超えてしまったので、2,500人に目標を設定しなおし現在は事前登録一旦中止しています。企業様の事前登録は現在も受け付けております。
あのまま続けていたら、3500人は事前登録をしていただけたと思います。

ちゃんなな:
嬉しい悲鳴とはこのことですね(笑)

押田さん:
本当に(笑)
300人の登録に到達するまでに必要最低限のリソースを割き広報に力を入れましたが、実は3000人に登録していただく最低限のリソースになっていました。
広報が未経験だったとはいえ、その算出に誤差があったのは反省する部分もあります。

ちゃんなな:
一体、どんな仕掛けを作っていたんですか?

押田さん:
そうですね、正確には「300人の事前登録を達成する」じゃなくて、「300人の事前登録を達成するために必要なこと」を逆算して準備していました。

ちゃんなな:
と言いますと?

押田さん:
そもそも、「300人の事前登録」という数字は僕のTwitterから導いた数字です。
僕のフォロワーが1500人程いたので、5人に1人事前登録してもらいたい、という計算です。
プレスリリースの本来の目的はtoCのユーザー獲得に向けて打ったわけではなくて、toBの企業様に向けて作成していました。
企業の方に理解され、ユーザーの方にも共感されるものを書くのはある意味で大変でした。

ちゃんなな:
なるほど。
ユーザーは自分のTwitterのフォロワーだけでまかなおうと考えていたから、プレスリリースの狙いは導入社数を増やす目的で、企業に絞ったんですね。

押田さん:
そうです。
なので、ユーザーの獲得だけで良ければPRtimesでやったことをnoteでやっても良かったと思っています。
でもそれだと、toCに向けたプレスリリースみたいになってしまいもう一つの目的で掲げていた「企業様の獲得」ができなくなってしまうと考えました。
企業が見ているサービスリリースが載ってる媒体という意味で、PRtimesで告知しました。
加えて、話題になるプレスリリースに必要な要素を分析して盛り込み、その結果多くの企業の方に理解をいただいたと思います。

SOLECTプレスリリース全文

どこの何に対し「喧嘩」を売るかを明確に示す

ちゃんなな:
具体的に、企業に対してどんなところを訴求するように意識したんですか?

押田さん:
企業向けに必要な情報を洗い出し、可能な限りすべて記載しました。

具体的には、
・会社の説明
・事業の内容
・ビジネスモデル
・会社が目指している世界観
・会社の代表である僕の経歴や思い
・その業界のスタンダードと弊社サービスであるSOLECTとの対比

は記載しましたね。

toC側にのみ伝えようとする場合、ビジネスモデルとかは必ずしも必要ない要素ですよね。
しかし、その辺りを明記しないと企業側は前向きに導入検討をくれないと考えたんです。

企業側が僕たちのサービスを導入したいと思うにはどんな要素が必要なんだろうと、必要な情報を精査して構成を組んでいきました。

ちゃんなな:
その業界のスタンダードとSOLECTを対比させる、について詳しく教えていただいても良いでしょうか?

押田さん:
はい。その業界でスタンダードとされている常識を1つ置いておいて、それとSOLECTを対比させて自分たちの立ち位置を企業の方と読者に明確に示しました。

これを明記したことで、「SOLECTが具体的に、今までと【どう】違って【何を】解決するのか」というところがグッとイメージしやすくなり、実際に既存のサービスでは解決できない課題を持った企業からの問い合わせが多くきています。

ちゃんなな:
SOLECTの立ち位置をよりはっきりさせることで、結果的にニュースとしての価値も高まっていったんですね。

押田さん:
そうですね。
メディアが反応しやすいという意味では、「何で喧嘩売るのか」ってことが分かるワードは明記すべきだと思っています。

ちゃんなな:
ケンカですか。

押田さん:
はい。
今回で言うと、<サービス誕生の背景>に

『あらゆるプラットフォームにレコメンド機能が搭載されている時代に本当に信用できる商品は近い人からの紹介なのかもしれない。そこにテクノロジーは入り込めないのか、というところに着目して「SOLECT」が開発されました。』

という文章を記載しました。

キャッチーな文章を作ることによって、大きな媒体でも太字でこの文章が掲載されましたし、記者の方が思わず興味を引くフックとなる文章は重要だと思います。

「この文章を取り上げたら、上手く読者に刺さりそう」っていうのを記者が考えるんじゃなくて僕らがあらかじめ用意しておくんです。
まあ、広報未経験なので手探りの状態だったのでこれが正しいのかは後から確信しました。

ちゃんなな:
とても広報未経験の人が言えることじゃなくて驚いています(笑)
実際、記者の方が掲載イメージをしやすいような素材はきちんと用意してありますしね。

押田さん:
はい。
そのあたりをしっかり設計したうえで、話題になりやすいプレスリリースの構成を組んでいきました。

自分たち流のプレスリリースの「型」を見つける

ちゃんなな:
話題になりやすいプレスリリースの構成ですか。
一体どのような構成を組んでいったのでしょうか?

押田さん:
全体的な構成に関しては、PRtimesで過去半年~1年でバズったものを全部読みました。
そこから類似点や傾向を分析して、「B向けならこの要素は必須だよね」「C向けならこの要素は必須だよね」と、必要な要素を洗い出し、そこから自分たちなりの勝利の方程式を導きだしました。
また、PRtimesの中の人に直接連絡して疑問点を洗いざらい聞いたりもしましたね。

ちゃんなな:
分析した結果、プレスリリースにはどういった要素が必要だと感じたのでしょう?

押田さん:
サービスの使い方手順とサービスを使うことによるメリット、このサービスを提供している会社はどこを目指してるのか?を示す要素は必要だと思いました。
個人的には、1つのセクションごとに1枚の画像は用意していた方がいいかなと思います。

細かい部分としては、
・冒頭部分にサービスロゴ画像を置く
・ロゴの下にサービスに関するキャッチーな文章を2-3行入れる
・サービスをイメージしやすい画像を入れる

あとは鉄板かもしれませんが、「日本初」とか「世界初」、「革新的」「新しい」というキーワードを使ったものはやはりPVが高いです。

ちゃんなな:
確かにSOLECTのプレスリリースは各セクションごとに画像があって視認性が高いなと感じました。
一般的に、プレスリリースは冒頭部分以降の離脱率がとても高いんですけど、SOLECTのプレスリリースは読了率がとても高そう。
ヒートマップで見てみたいです(笑)

押田さん:
あとは、言葉遣いもかなり意識しました。
僕は普段小説を書くので、ある意味分かりにくい言葉を選んでしまいがちなんです。
だからこそ、むやみやたらに難しい言葉を使わず、一般的な表現方法を積極的に選んで書き進めました。

ちゃんなな:
一般的な表現方法とは、例えばどういったことでしょう?

押田さん:
例えば、「私たちのサービスは全く新しい○○というサービスを提案します」
という文章があったとしたら、その○○の部分を自分たちのサービスに置き換えるだけで、際立って変な文章を使わないということです。

「SOLECTは革新的なビジネスモデルで既存の業界を一新します。」みたいな話をしてしまうと、固すぎるがゆえに離脱に繋がるし、あるあるな胡散臭いイメージを持つので話題を起こしづらいと考えています。

エモをとがらせすぎて、宗教的なリリースになってしまうことは避けました。

ちゃんなな:
中立な立場で平らに書く、というイメージですね。

押田さん:
そうですね。
発信する時間や曜日も話題になりやすい時間に投稿するよう心がけました。

ちゃんなな:
発信タイミングはいつが良いのでしょうか?

押田さん:
これは知り合いの方に聞いたのですが、時間は明らかに8時がいいですね。曜日は月曜日
まず、大体の会社は朝9時が就業開始時間ですよね。
企業の方や広報担当の方が出勤して一番最初にPRtimesを開くタイミングで「新着投稿」に上がってるんです。
だから、8時~8時30分くらいに投稿したほうがいい。上にあれば、間違いなく目に入る確率は高まるので。
就業開始時間ギリギリを狙って8時、情報収集を行うタイミングの月曜に発信しました。

ちゃんなな:
なるほど。
時間帯や曜日も話題を作りやすいタイミングで行ったんですね。

Forbes JAPANや、Yahooニュース・NewsPicksなどの大手媒体にも掲載

ちゃんなな:
発信してからどれくらいの媒体から連絡がありましたか?

押田さん:
転載が55媒体で、純粋な記事やブロガーさんによる発信を含めると、確認できている範囲で70媒体ほどです。

ちゃんなな:
おお!

押田さん:
数ももちろん大事だとは思うのですが、影響力の大きな媒体に取り上げてもらえるかはやはり重要な要素だと思っています。
実際、僕たちのプレスリリースがForbes JAPANやYahooニュース・NewsPicksなどのメディアにアプローチできたところは大きかったです。

ちゃんなな:
確かに。しかも、SOLECTにおいては事前登録の段階でのリリースでしたもんね。

押田さん:
ベンチャー・スタートアップのプレスリリースの切り口って、主に
・事前登録
・資金調達
・賞の受賞
・大型メンバーの参入
・ベータ版のリリース
・新サービスのリリース

の6種類だと思うんです。

例えばですけど、Forbes JAPANの掲載基準は明確にありません。
ですが基本的に、めちゃくちゃ有名な人が組織に入るか、サービスがリリースしたタイミングでの記事化だと考えています。
でも実際、SOLECTは事前登録の段階で掲載されました。

これって、言ってしまえば僕たちのサービスが途中で止まってリリースされなかったり、反社会的な会社だった場合って、媒体側にもリスクがあるじゃないですか。

「何で載ったんだろう?」ってところはぶっちゃけ分からなくて想像でしかないんですけど、恐らくPRtimesがバズったのとTwitterで多くのコミュニティが生まれたことは、掲載までの流れに大きな影響を与えたと思います。

ちゃんなな:
NewsPicksでもすごい反響ありましたよね。
初日で500picksを超えていたのを見ました。

押田さん:
そうですね。今は1400picksを超えてます(笑)

リリース後に起こった反応とは?

ちゃんなな:
リリース後はどういった反応がありましたか?

押田さん:
たくさんありましたが
・事前登録者数が伸びた
・Forbes JAPANやYahooニュース、Newspicksに取り上げられた
・複数のブロガーの方からサービスについて記事化してもらえていた
・僕のTwitterのフォロワーが300人くらい増えた(笑)
・公式アカウントのフォロワーが2日で600人超えた
・採用の連絡がきた

ということでしょうか。

ちゃんなな:
公式アカウント、2日で600人はすごいですね。

押田さん:
プレスリリースを打つ前にあらかじめ公式アカウント用意しておいて、リリースを読んでくれた人が公式アカウントをフォローしてくれる流れを作れたと思います。
フォローしていただいた後は、公式アカウントにリプライをくれた人に対してはどんな些細なことでもすべて返信したり、積極的に交流しました。

1対1ではなく、1対Nで再現性のある口コミュニティを作る

ちゃんなな:
SOLECT自体すごくいいスタートを切ったと思いますが、今後会社として取り組んでいきたいことについて教えてください。

押田さん:
正確にはまだスタートは切れていないので、僕たち自身急いでいる部分は大きいです(笑)
僕たちのサービス自体が割とSNSに特化したサービスになるので、Twitterやinstagramのマーケティングには力を入れていきたいです。
よくあるマーケティング代行の方に頼むのではなくて、再現性のある口コミ作りを自社の中で確立していきたいと考えています。

ちゃんなな:
再現性のある口コミ、と言いますと?

押田さん:
口コミって、「口コミュニケーション」の略じゃないですか。
今までは、1対1、1対1…といった形で口コミを広げていったと思うんです。
でもこれだと、コミュニケーションが途絶えるだけで人と人との繋がりがなくなってしまい、口コミの再現は一気にむずかしくなります。

だからこそ、これからの口コミって「口コミュニティ」をどう作るのかが大事だと思うんです。
1対1ではなく、1対Nで再現性のある口コミニティを作ることが、深いPRに繋がると思っています。

実際、今回僕らが1対Nの口コミを体現したことによって、「SOLECTを使いたいからTwitterをはじめた」って方が多くいたんです。

はじめの予想としては、「TwitterやってるからSOLECTをやってみる」って人が圧倒的ニーズだと思ってたんですけど、「SOLECTを見てTwitterを初めてやってみた」って人が出てきたのは予想外でした。

Twitterのアカウント名の横に「SOLECTはじめます」って書いてくれてる方や、TwitterのBIOに「#SOLECT」って書いててくれる方も結構いて。

僕らとしては、とても嬉しいことです。

ちゃんなな:
すでにファンを獲得してるんですね。

押田さん:
ユーザーとの関わり方は、一番大事にしていきたいです。
これからも、血が通ったサービス作りに励んでいきたいと思っています。

おわりに

届けたい相手に伝わるプレスリリースを書き、見事、多くの人々にSOLECTを知ってもらうことができた今回の事例。

1本のプレスリリースを打つのに様々な視点を取り入れ戦略的に話題を作った押田さんですが、何よりも「サービスにかけるアツい思い」がとても強く伝わりました。

・話題になったプレスリリースを徹底的に分析する
・伝えたい相手に届けるために必要な情報を記載する
・メディアが記事化しやすい素材を揃えておく

これらの取り組みは、今すぐ私たちがマネできることだと思います。

自分たちが愛を込めて作ったサービスを、必要としている相手にきちんと届けること。
それによって、事業の成長を加速させより良いサービスを提供すること。

サービスを持つスタートアップが大事にすべきことを、改めて肝に銘じました。

私のヒトコト

How to満載のこの記事を書くに当たり、私の気持ちをここに少しだけお話させていただきます。

正直、手法論ベースの記事を公開することにはじめは抵抗を感じていました。
というのも、企業の方から広報に関するご相談をいただいたり、現場の広報担当の方とお話をしたりする中で、

ー本当はもっと、広報PRの概念を伝え続けなければいけないんじゃないか。

と思うことが多々ありまして。。
ですが同時に、概念だけでは今目の前で困っている人たちの手助けになれないことにも歯がゆさを感じることが多くありました。(この辺は長くなってしまうので別記事で書けたらと思います)

概念を学ぼうとしても、「じゃあ、実際今から何をしたら良いのか?」ということがなかなか分からず、苦労された方も少なからずいらっしゃると思っています。

そこでもっと、
現場の人たちが取り組みやすく、すぐに実践できるような事例を紹介したい。
広報ラボが、少しでもどこかの会社の広報活動のヒントになれたらいい。
どんなに小さくても、「広報」の成功体験を作ってほしい。

そんな思いから、広報のtipsを紹介する記事を書くことを決意しました。

もともと、広報ラボは「スタートアップの広報活動を支援する」というミッションのもと立ち上げたメディアです。
他社の成功事例を知ることで、少しでもあなたの会社の広報活動のヒントになってほしいと心から思っています。

ですので、本記事を皮切りに今後はこうした事例記事もたくさん公開していく方針です。

悩める企業さん・広報担当者の方にはぜひ一例として、「こんな事例もあるんだな」ということを知っていただき、参考にしていただけたら幸いです。

会社概要と押田さんプロフィール

<株式会社inflife概要>
「全ての人が持つ形なき価値を顕在化する。」をビジョンとして掲げているスタートアップ。「形として見えない価値あるもの」を、テクノロジーで可視化しアイデアで最大化する。

<押田はるか 氏プロフィール>

株式会社inflife代表取締役。1997年生まれ。日本電子専門学校卒。2017年に株式会社Exhumeを設立。
2018年にキヤノン株式会社にて新卒入社。
2018年7月に株式会社inflifeを設立し代表取締役に就任。ライフスタイルメディア「STYLE」を運営。
2019年2月に新しいオススメ紹介サービス「SOLECT」を立ち上げる。

SOLECTプレスリリースはこちら

押田さんTwitter

SOLECT公式Twitter

株式会社inflifeホームページ

現在、導入企業様の事前登録はまだまだ受け付けているそうです。
気になった企業様は、ぜひ下記アドレスまでご連絡ください。
連絡先:info@inflife.co.jp
担当 :押田